
三協タックラベルの近況――
もともと食品ラベルを中心に事業を展開しており、印刷機を使用した食品ラベルの製造を主力としています。しかし、10年前、東日本大震災以降にデジタル印刷に注力し始めたことで、現在では幅広い分野に対応できる体制を整えています。同社では、食品ラベルのほか、工業ラベル、化粧品関連のラベル、さらにはワインや酒類用のラベルも従来通り取り扱っています。近年は、デジタル印刷の品質の高さが評価され、他社との差別化を図るため、デジタル技術へのさらなる投資を行っています。
業務提携からシェアを伸ばす――
都内を中心に展開するプリントコンビニ様や印刷会社様との業務提携を通じて、シールラベルの製造にも多く取り組んでいます。こうした提携先の営業活動や店舗販売の中で、三協タックラベル株式会社がシールラベルの製造を担うケースが増えてきており、自らの営業活動に頼らない形での仕事も増えてきています。


製品づくりにおいては、デジタル印刷とアナログ印刷の双方を活用しています。基本的には、どちらの方式であっても同じ製品を製造することが可能です。ただし、アナログ印刷でしか対応できない特殊な表面加工が必要な製品や、デジタル印刷でなければ対応できない可変印刷(連番や1枚ごとに異なる情報を印刷するラベル)など、製品の用途や特性に応じて使い分けをしています。
シール150万枚の大規模実績――
コロナ禍において、各自治体が発行した地域振興券に付けるシリアルナンバー入りのシール150万枚という大規模な案件に対応した実績があります。このような案件は、他社では対応が難しい場合でも、同社の技術力と生産体制で可能になったとのことです。


短納期解決や課題も――
ホットスタンプ(箔押し)が製造速度の面で課題となる中、新しい印刷方式であるコールドスタンプを導入したことで、より短納期で大量生産を可能にしました。一方で、トランプ型の特殊なカードの製造など、一部の案件については専門技術が不足しており対応できない場合もございます。
独自の強み活かし調整し続ける――
三協タックラベルの強みとして挙げられるのが、「抜き型の内製化」です。同業他社では一般的に外注する抜き型を自社で製造することにより、コスト削減と迅速な対応を実現しています。さらに、デジタル印刷とアナログ印刷を融合した「ハイブリッド事業部」を展開し、小ロットから大ロットまで幅広い生産ニーズに対応可能です。
今後は「可能な限り顧客のニーズに応える」という方針のもと、小ロットから超大ロットまで柔軟に対応、顧客の要望や予算に応じた最適な提案を行う、課題解決に向けて技術を活用し、挑戦を続けようと考えています。
